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  シーン設計工房・一級建築士事務所  
    ●中古マンション購入&リノベーションの注意点
     
  1.中古マンション購入&リノベーション

割安の価格で中古マンションを購入して、好きな間取りに改装しても、新築マンションを購入するよりは安くすみます。
ありきたりの間取りではなく、好きな間取りにして、こだわりのインテリアにして住めば快適です。

全面リフォームを考えている場合は、購入の際「どうせ全面改装するのだから、現況がどんな状態でも関係ない」と思いがちです。
しかし良く調査もせずに購入すると、いざリフォームをしようと思った時、思いがけないことに直面し、後悔することになります。

 
   
 
  2.マンション全体のこと

分譲マンションを購入すると、共用部分を維持管理するために、管理費と修繕積立金を毎月払います。

管理費は日常的な維持管理にあてられ、修繕積立金は設備や建物の経年劣化の修繕にあてられます。主には大規模修繕工事と言われている、外壁の改修工事や屋上の防水工事、共用の配管類の取替え工事などです。

よって購入の際、きちんと管理がされていて、修繕積立金が十分積み立てられるかを確認することは重要です。
また売主(前所有者)が修繕積立金、管理費を滞納していないかも要確認です。

マンションの管理がきちんとされていないと、マンションはスラム化していきます。
修繕積立金が不足していると、大規模修繕工事の際、不足分を各戸から徴収することになります。
この費用が大きな金額ですと、臨時出費の負担が大きいばかりではなく、負担に反対する所有者がいた場合、修繕が進まないこともあります。

大規模修繕がきちんと行なわれないと、マンションの価値は下がり、スラム化への引き金になってしまいます。

 
 
 
 
  3.耐震性能

建物の耐震性能はマンションの建設時期により違います。

大きくは、1981年(昭和56年)6月1日に新しい耐震基準が施行されていますので、新しい耐震基準で設計されたものかどうかの確認は必要です。

またこれ以前の建物の場合は、耐震補強工事が行なわれているかどうかもチェックしてください。古いマンションでも外観をきれいにリニューアルしていると、古く見えない場合があります。

よって外観にとらわれることなく竣工年度はかならずチェックしてください。

 
   
 
  4.共用設備の確認

マンションには定期点検をしなければいけない設備がたくさんあります。
エレベーター、受水槽、消防設備、、、など多々あります。
これらの点検は法規で義務づけられていますが、管理がきちんとなされていないマンションでは、定期点検が行われていても指摘事項を改善していない場合もあります。

消防設備の不備などは、万一の時に大きな災害になりかねません。
きちんとした管理がされていれば問題ありませんが、管理に不安がある時はこれらも確認することをお勧めいたします。

 
   
 
  5.通信環境&テレビ等

いまやインターネットやテレビの環境は重要です。
どのようなインターネット環境が使えるのか、BS、CS放送は受信できるのか?

また古いマンションでは電話の回線数の制限や、電気の容量の上限があります。

電話回線が2本必要でも、引くことができない場合があります。
電気の容量も30A以上使えない、という古いマンションもあります。

マンションの場合、テレビは共用のアンテナから電波を受信しています。
アンテナが最新のものになっていても安心はできません。
建物内の共用の配線やブースターが古く、CS放送が見られないことがあります。

「だったら戸別のアンテナを立てれば良い」と思いますが、電波方向にアンテナを設置できなければ受信できません。

古いマンションでは自分のベランダに個別のパラボラアンテナを立てているのを良く見かけますが、電波方向に設置できるスペースがあるかどうかの確認も必要です。これは結構見落としがちです。
後で泣きをみないよう、それらのチェックも要注意です。

 
   
 
  6.水廻りの位置が変えられるか

全面リフォームする場合、現在の浴室やキッチンの位置を変えられるかどうかは、新しいプランを考える上で大きなネックとなります。

マンションは通常コンクリートスラブと実際の床の間に空間があり(二重床)、そこに配管を通していますが、昔のマンションはそうではありませんでした。
初期のマンション・公団住宅では、コンクリートのスラブ下に排水を抜いていました。
つまりは下の階のお宅の天井裏に排水管があり、自分の家の天井裏には上のお宅の排水管が隠れています。

このようなスラブ下配管の場合は、水廻りの位置を変えるにはかなり制限がありますので、築年数の古い物件を購入する時はこの点を注意してください。

2重床の構造であれば、ある程度は浴室や洗面所、キッチンの位置を変えることができますが、タテ管のあるパイプスペースの位置から、あまりに遠くに移動するのは難しいです。
特にトイレの位置は2重床であっても、ほとんどの場合は移動に制限があります。
 

 
   
 
 
  7.壊せない壁

鉄筋コンクリート造のマンションの構造には、大きく分けると柱、梁で造られた「ラーメン構造」と、壁で造られた「壁構造」の2種類があります。
一般的にはラーメン構造の方が多いですが、低層(3~5階建)のマンションや階段式の公団住宅は「壁構造」の場合が多いです。

壁構造の場合は、内部の間仕切り壁にもコンクリートで造られた壁があります。
コンクリート壁は全て構造体ですので、内部の壁でも壊すことができません。

また、ラーメン構造の場合も、浴室がユニットバスでない場合は浴室の周りがコンクリート壁で造られている場合が多いですので、特に気をつけてください。

3DKの間取りを2LDKにするつもりでも壊せない壁があったり、浴室の向きを変えようと思っても壁が壊せなくて実現できないなど、購入してから後悔しないよう内部の壁が何でできているか(=壊せる壁なのか)十分チェックをしてください。
 

 
 
   
  
 
  ★自分で判断できない時は

以上の項目をチェックなさってみてください。
チェック項目はまだまだありますが、追って更新していきますm(. .)m

しかし、なかなか自分では判断できない項目もあります。
そのような時は是非プロに相談してください。

調査費用は発生しますが、大きな買い物をするのですから慎重になってください。
購入後、設計事務所にリノベーションを相談したら、希望とおりのことができなかったと後悔しないためにも、事前にチェックしてください。

当事務所でも調査は50,000円から承っております。

 
     
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