事務所リフォーム / オフィス空間を快適に / RC造
 



テナントビルの1室のオフィス・リフォームです。
働く人にとってはオフィスにいる時間のほうが、自宅で過ごす時間よりも長いかもしれません。
ですから仕事場もできれば事務機器に囲まれた、いかにも「オフィス」ではなく、少しでも心地の良い空間にしたいものです。

既製品のスチールパーティション、事務用家具を並べた「オフィス」ではなく、できるだけ自然素材を使い木製家具、木製建具でオフィスをリフォームしました。
 
 

 
エントランス

幸いテナントスペースは防火区画のスチール防火戸により区画されていましたので、オフィスの入口扉は無垢材の框戸で造ることができました。

訪問客はチェリー無垢材の棚板に置かれた内線電話で、訪問を知らせます。

ガラス越しの正面の壁には事務所のイメージにぴったりの写真家:飯田裕子さんの作品を飾りました。

 
 

 

壁面には書類収納として木製の本棚を造り付けました。
スタッフの各デスクは、窓側に長いカウンター状に造りました。
既製品の引き出しを脚がわりにして、天板は木製です。

執務室

 
 
打合せ室(大)
大きな打合せ室の照明はLEDの白い光です。
昼間は外の天気により室内の明るさが異なります。
また大人数なのに薄暗い、少人数なのに明る過ぎて落ち着かない・・・などがないように照明には調光スイッチをつけ、状況に応じて明るさを調整できるようにしました。

正面に見えるブラインドを上げるとホワイトボードが現れます。
常にホワイトボードが置かれていると、味気のない事務所空間になってしまいます。
ボードを使わない時は見えないように、和紙のブラインドの中に隠しました。

  
   

 
小さな打合せ室は暖かみのある電球色の照明にしました。
他の部屋と同じ床、壁の色ですが、照明に使う光の色により部屋の雰囲気が変わります。

打合せ室(小)

 
 
天秤ほぞのデスク
 
執務室の中央に置かれた所長のデスクはチェリーの無垢材(オイル塗)で造りました。
シンプルなデザインですが、楠細工の伝統の技で造られた無垢材の家具は、存在感抜群です。

製作過程はこちらから


家具の仕上げはサンダーを使わず手鉋で仕上げ、オイル塗です。
天板の裏側も鉋仕上です。
鏡のように光っているのがわかりますか?
鉋で削った板はこのように景色が写り込むほど表面が平滑です。

天秤ほぞ

天板と脚の接合部は、釘を全く使わず、「天秤ほぞ」と言う楠細工で使われている伝統的な仕口で接合されています。
とても美しい仕口で、正に匠の技の丁寧な仕事です。
このように大きな家具で天秤ホゾが使われるのは、たいへん珍しいと思います。