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シーン設計工房・一級建築士事務所 | ||
●家づくりのためのアドバイス | ||
1.家を建てるきっかけ 家を建ようと思うきっかけはいろいろあります。 一戸建に住みたい、マンション暮らしから一戸建てに移る、現在の住まいの老朽化や手狭になっての建て替え、子供世帯との同居のための2世帯住宅の建設など・・・。 そして、それらの理由の為に「いついつまでに建てたい」という希望の時期も当然出てきます。 子供の入学の時期に合わせたい、夏休みに引っ越ししたい、来年になると厄年になるので今年中に着工したい、売却をして建て替えるのでいつまでに現在の家を引越ししなければいけない・・・など。 それぞれのさまざまな理由で竣工の時期が決められていきます。 |
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2.本当にその時期に完成させないといけないのか いついつまでに引っ越ししたいという要望は良くあります。 その時期をきちんと守らないといけない場合もありますし、できればその時期に移りたいというおおまかな希望の場合も在ります。 多くの方は金融機関や会社などから借入をし、長いロ-ンを組みます。 そして、そのロ-ンよりも、もっと長い間その家に住むことになります。 ですから、もし何かの理由で着工を急いでいる方は、もう一度冷静に考えてみてください。 目の前の希望の時期を本当に守らないといけないのか? その時期にこだわるあまり、十分検討せずに着工を急いでいないだろうか? 何故ならば十分検討せず着工したため、のちのち長い間不便を感じる住宅で暮らさなければならない事態が多々あるからです。 「あの時、もう少しゆっくり検討すれば良かった」と後悔することになります。 人生でもっとも大きな買物です。 そしてこの先何十年もその家で暮らしていくのです。基本設計の時間を十分とり、くれぐれもあわてて着工しないようにしてください。 |
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3.実物を見ないで買う買物 何か買物をする時のことを考えてください。 ほとんどの場合、実際の物を見て、手にとり触ったりしていろいろ確認してから買いますね。 現在では通信販売やネットショッピングで、ほとんどのものを購入できるようにななりましたが、その場合はカタログに乗っている写真を見たり、記事を読みながら選びます。 そして気に入らない場合は、決められた期限以内ならばキャンセルできるので、物を見なくても安心して買物ができます。 私たちのする大きな買い物といったら何でしょう。 車は高い買い物です。 大抵はディーラ-で買いたい車を見たり試乗したり、性能をカタログの数字で検討したりします。 しかしカタログをしっかり読まないと、展示してあった車には付いていたのに、納品された車には付いていなかった・・・そういった経験をされた方もいらっしゃると思います。 営業マンに聞いてみると「あれはオプションですよ」と言われる。 きちんと確認しておかなかったのがいけなのですが、そんなもの付いていて当たり前と思っていた・・・と言うような経験ありませんか? 人生のなかで最も大きな買い物といえば、やはり「家」でしょう。 しかし、最も高い買物であるにもかかわらず「これをください」と言うように、物を見て買うことができないのです。 ハウスメ-カ-などは展示場を持っていますので、だいたいの姿を想像はできますが、まったく同じものを買うわけではありません。 ここに家を建てる時の難しさがあるのです。 |
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4.家を建てる時トラブルが起きる原因 家を建てることは人生の中で最も高い買物であるにもかかわらず、実物を見ないで買う買物なのでトラブルが起きやすいのです。 壁はどんな材料にしようか、居間は大きな窓がある明るい居間にしたい、台所には食品をたくさん収納できるような棚が欲しい・・・ 着工前に担当者といろいろ打ち合わせをします。 たとえば「ここに出窓が欲しい」と言った時、 「わかりました。ここに出窓を付けましょう」と担当者が了解してくれます。 これで雑誌で見て気に入ったシャ-プな感じの出窓が付くんだな~と夢はふくらみます。 ところが担当者は、この予算ならば既製品の一番標準的な普通の出窓を仕様書に入れます。 そして着工し、だんだん建物ができていくと「えっ、こんな窓なの? 私が頼んだものと違うじゃない」 すると担当者は言います「えっ、出窓って言いましたよね、出窓といえばこれですよ、いやならば取換えますが、その時は追加予算をいただきます」と言われ押し切られるわけです。 泣く泣く納得したけれど、どうも腑に落ちない。そんなことが工事が進んでいくとどんどん出てきます。 そして終いには言った言わないの争いになってしまいます。 では、このようなトラブルを避けるためにはどうすればいいのでしょう。 実際の商品を見ずに買物をする時のように、カタログをしっかり読めばいいのです。 では、家を建てる時にカタログというものがあるのでしょうか? |
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5.家のカタログにあたるもの ハウスメーカーにはカタログがありますが、工務店や、設計事務所に依頼する場合にあるのは「会社案内」「会社概要」などで、家のカタログはありません。 大工さんに頼む時もカタログはありません。 「住宅」はいわば一品生産の特注品です。 ですからカタログは無いのです。 では、カタログに替わるものは何なのでしょう。 それは設計図・仕様書と言われるものが、いわばカタログに書かれた性能表にあたります。 よって、ものを見ないで買う買物は、カタログ=性能表をきちんとチェックすることがたいへん重要です。 |
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6.設計図にすべてが描かれている 設計図とは、いわばカタログに書かれた性能表・仕様書なのです。 設計図とは、これから造る家がどのような間取りで、どんな形をし、材料は何で造られているのか。 そしてどこに棚や物入れがつき、どんなデザインの照明器具がどこについていて、そのスイッチはどこにあるのか等、家を造る為の情報がすべて書き込まれているものなのです。 たとえば窓一つとっても、大きさ、開き方、デザイン、材質、色、取手の種類、ガラスの種類、というようにこれら全てを決定しないと窓が特定できません。 そしてその窓を部屋のどの位置に、いくつの高さで付けるのか。 それらをすべて決めないと、自分の思った通りの窓はできないわけです。 設計図に描かれた情報をもとに大工さん、建具屋さん、電気屋さん・・・全ての職人さんが造っていくのです。 ですから自分の家がどんな家になるかは、設計図を見ればすべて書込まれているのです。 自分の思い描いていた家を造る為には、設計図をきちんと描いてもらい、設計図に自分の要求したものがきちんと入っているかを確認し、それから初めて着工することが大切なのです。 家づくりでのトラブルを避けるためには、着工する前にきちんとした設計図で、これから建てる家の仕様をきちんと確認し、納得してから着工するようにしてください。 |
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7.家は何をもとにできていくのでしょう 家を建てる時、昔からの知り合いの大工さんに頼む、住宅展示場で気に入ったハウスメ-カ-に頼む、地元の工務店の設計施工で建てる、土地を買った不動産やさんの紹介の建設会社に頼む、そして当事務所のような設計事務所に頼む・・・などいろいろな方法が在ります。 しかしいずれの場合でも、家は「設計図」に基づいて建てられています。 ですから設計図に、いかに自分の希望することが盛り込まれているかがもっとも大切なのです。 繰り返しになりますが、住宅をどこへ頼む場合でも、設計図をきちんと描いてもらい、そして工事契約前に設計図でしっかりと内容を確認しておくことが大切です。 |
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8.設計図通りの施工をしてもらう為に 要望が盛り込まれた設計図ができあがりました。 設計図通りの施工が行われれば、要望通りの家ができあがります。 ところが「家」というのは何万点もの部材、部品からできているので、詳細な設計図でもあらゆる情報全てが書き込まれているわけではありません。 細かい部分については、実際工事が始まって現場で決定しなければなりません。 また、せっかく設計図で指定されていても、その通りの物が現場に入らなくては設計図通りの家ができあがっていきません。 本当に指定されたものが使われているか、指定された施工方法できちんと施工されているかは、やはり専門家に見てもらわないとわからない部分が多いのです。 それらの仕事が、設計事務所の設計監理という業務です。 |
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9.設計事務所の仕事に慣れた工務店 設計事務所の仕事のなかで「設計だけお願いします」といわれる場合もあります。 しかし、せっかく設計料を払って要望がしっかりつまった設計図ができあがっても、その設計図通り施工されていなければ、設計図は絵に描いた餅で終わってしまいます。 指定された材料が本当に使われているか、指定した通りの工法で施工されているかのチェックは、やはり専門家の手が必要です。 設計図通りの施工がされているかをチェックする業務を、設計事務所の「設計監理」という仕事です。 この設計監理がきちんとなされてこそ初めて要望通りの家ができあがるのです。 設計事務所はお客様の代わりに現場を見るわけですから、施工者は設計事務所の承認を得ない限り、工事を進めることができません。 施工者は、必ず設計事務所の検査・承認を受けながら工事を進めていきますので、お客様にとっては安心です。 ただし、ここで気をつけなければならないのは、施工者(工務店・建設会社)が設計事務所の設計図に基づいて工事をすることに慣れているかどうかということです。 自社の設計施工の仕事が中心の施工者では、設計事務所の書いた詳細な図面を見ることに慣れていなかったり、監理者の承認を得ずに工事を進めてしまい、手戻りが多くなってしまうことがあります。 設計事務所に設計を依頼した時は、設計事務所との仕事に慣れた施工者を選ぶことも、とても重要になってきます。 |
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